各国の特徴

Features

以下に、当組合で受け入れ可能な技能実習生の主な送り出し国の特徴をまとめました。


1. インドネシア 🇮🇩

急速に実習生の数が増えている送り出し国です。

  • 経済状況
     東南アジア最大の経済規模を誇りますが、人口が2億7000万人超と非常に多いため一人当たりの所得はまだ低いです。多くの若者が、日本で技術と資金を得ることを目指しています。
  • 人柄・国民性
     一般的に物腰が柔らかく、礼儀正しく、敬意を払います。「相互扶助」を意味する「ゴトン・ロヨン」の精神が強いです。
  • 宗教
     世界最大のイスラム教徒人口を抱える国です。イスラム教はアイデンティティと日常生活の中心です。
  • 受け入れ時の注意点
     頭に触れることを極端に嫌がります。日本人からすればスキンシップのつもりでも不快に感じる人が多いので注意しましょう。

2. ベトナム 🇻🇳

現在、日本における最大の技能実習生送り出し国です。

  • 経済状況
     急速に経済成長していますが、賃金水準は日本より大幅に低いです。若く意欲的な労働人口が多く、海外で短期間に稼ぐ機会を求めています。
  • 人柄・国民性
     一般的に非常に勤勉で、粘り強く、学ぶ意欲が高いことで知られています。頭が良く、機転が利き、強い愛国心を持っています。
  • 宗教
     公式には無宗教ですが、伝統的な祖先崇拝や仏教が影響力を持っています。ほとんどの場合、宗教が日常の仕事に大きく影響することはありません。
  • 受け入れ時の注意点
     家族的で思いやりのあるマネジメントによく応えます。彼らが抱える経済的プレッシャーは非常に高いです。故郷と繋がるため、FacebookなどのSNSを非常に活発に利用します。

3. 中国 🇨🇳

歴史的に最大の送り出し国でしたが、その数は減少傾向にありつつも、依然として大きなグループです。

  • 経済状況
     世界第2位の経済大国ですが、地域格差が非常に大きいです。現在では、内陸部の発展が遅れている省からの実習生が多くなっています。
  • 人柄・国民性
     より直接的で結果重視の傾向があります。多くは向上心が高く、明確な目標を持っています。漢字を共有していることは、日本語の読み書きを学ぶ上で大きな利点となります。
  • 宗教
     公式には無宗教国家です。宗教が日常の仕事に影響することはほとんどありません。
  • 受け入れ時の注意点
     指示に対して疑問を呈したり、別の方法を提案したりすることがあります。これを反抗的と捉えず、主体的な関与と見なすべきです。動機は単に稼ぐことから、質の高い技術を学ぶことへと変化しています。

4. カンボジア 🇰🇭

まだ日本全体では受入人数が少ないですが、信仰する宗教が仏教ということもあり、日本人との相性は良いとされています。

  • 経済状況
     近年は縫製業や観光業を中心に高い経済成長を遂げてきましたが、農村部との格差が大きく、依然として多くの人が貧困状態にあります。最低賃金は月190ドル程度と低く、安定した収入を求めて海外で働く人も少なくありません。
  • 人柄・国民性
     温和で協調性が高く、家族を大切にする傾向があります。仏教の影響もあり、礼儀正しく、周囲との調和を重んじる人が多いです。一方で、プライドが高く、人前で叱責されることを嫌う傾向もあるため、注意や指導は個別に丁寧に行う配慮が必要です。
  • 宗教
     国民の90%以上が上座部仏教徒であり、仏教は日常生活や価値観に深く根付いています。日本と同様に、目上の人を敬う文化や宗教的な食の制限が少ない点も共通しています。
  • 受け入れ時の注意点
     家族とのつながりを非常に重視しており、母国の家族を支えるために働く人が多いです。そのため、安心して働ける環境づくりが重要です。協調性が高く、真面目に仕事に取り組む姿勢が見られますが、文化的背景を理解し、尊重する姿勢が信頼関係の構築につながります。

5. インド 🇮🇳

IT大国として知られますが、他の分野での技能実習への関心も高まっています。

  • 経済状況
     急成長経済ですが、人口が膨大なため良い仕事を得るための競争は熾烈です。
  • 人柄・国民性
     インドは信じられないほど多様であり、一括りにはできません。人々は家族志向が強く、たくましく、多くは優れた分析能力を持っています。
  • 宗教
     主にヒンドゥー教徒(約80%)で、イスラム教徒の少数派も多くいます。これは食事に大きな影響を与えます。
  • 受け入れ時の注意点
     食事制限は極めて重要です。ほとんどのヒンドゥー教徒は、牛が神聖視されているため牛肉を食べません。また、菜食主義者も非常に多いです。一人ひとりの食事のニーズを確認する必要があります。ステレオタイプ化せず、敬意を示すために出身地などを尋ねてください。

6. ネパール 🇳🇵

海外からの送金は、ネパール経済の重要な柱です。

  • 経済状況
     国内の雇用市場が限られているため、海外で働くことは多くの若者が家族を支えるための主要な目標です。
  • 人柄・国民性
     誠実で、勤勉で、忍耐強いことで知られています。一般的に礼儀正しく、年長者や権威に対する深い敬意を持っています。
  • 宗教
     大多数がヒンドゥー教徒(80%以上)です。
  • 受け入れ時の注意点
     インドと同様、ほとんどのネパール人は牛肉を食べません。彼らの食習慣を確認してください。多くは山岳地帯の出身で、日本の夏の暑さや湿気に苦労することがあります。熱中症予防に注意してください。シャイなことがあるため、質問しやすい安全な雰囲気を作ることが重要です。

7. バングラデシュ 🇧🇩

親日的な国で、意欲的な人材が豊富な人口大国です。

  • 経済状況
     発展途上の経済で、若者人口が非常に多いです。日本で働きたいという意欲は非常に高いです。
  • 人柄・国民性
     一般的にフレンドリーで、たくましく、社交的です。日本に対して非常に良いイメージを持っており、学ぶ意欲が高いです。
  • 宗教
     大多数(約90%)がイスラム教徒です。宗教は生活の非常に重要な部分です。
  • 受け入れ時の注意点
     インドネシア人と同様、イスラム教の習慣への尊重が不可欠です。毎日の礼拝のための時間と清潔な場所、そして**ハラル食品(豚肉・アルコールNG)**へのアクセスを確保する必要があります。

8. タイ 🇹🇭

「微笑みの国」として知られ、調和を重んじる文化を持っています。

  • 経済状況
     近隣諸国よりは発展していますが、都市部と農村部の所得格差が、農村地域の人々を日本での就労へと駆り立てています。
  • 人柄・国民性
     一般的に穏やかで、対立を好まず、礼儀正しいです。「面子(サクシー)」を保つことが非常に重要です。また、あらゆる面で楽しむこと(サヌック)を大切にします。
  • 宗教
     90%以上が上座部仏教徒であり、そのことが彼らの平和的な世界観を形成しています。
  • 受け入れ時の注意点
     他人の前で批判したり叱ったりすることは絶対に避けてください。これは深刻な面子の喪失を引き起こします。フィードバックは個人的に、そして優しく伝えてください。「マイペンライ(大丈夫/問題ない)」という姿勢は、日本の厳格な基準を満たすために根気強い指導が必要かもしれません。ポジティブな職場環境が非常に効果的です。

9. ラオス 🇱🇦

東南アジアの内陸国出身の、穏やかで落ち着いた人々です。

  • 経済状況
     この地域で最も発展の遅れている経済の一つです。機会が乏しいため、海外で働くことは大きな目標です。
  • 人柄・国民性:
     非常に穏やかで、忍耐強く、しばしばシャイであることで知られています。対立を好まず、よりリラックスしたペースで生活しています。
  • 宗教
     主に上座部仏教徒です。
  • 受け入れ時の注意点:
     忍耐が絶対的な鍵です。彼らを急かしたり、怒ったりしないでください。厳しいまたは要求の多い態度は、彼らを内向的にさせてしまいます。優しく、励まし、ゆっくりとしたペースでの指導が最良の結果を生むでしょう。

当組合では、現在受入れを行っていませんが、一部の職種で受入人数の多い国の紹介です。

 ※組合員からの要望があれば適宜、厳正に認定送出機関を選定しご希望の国から受入れを行うことは可能です。お気軽にご相談ください。

1. ミャンマー 🇲🇲

  • 経済状況
     政情不安により極めて困難な状況にあります。経済は崩壊し、多くの家族にとって海外で働くことは生きるための生命線となっています。
  • 人柄・国民性
     一般的に穏やかで、礼儀正しく、忍耐強いです。ほとんどが敬虔な上座部仏教徒であり、そのことが彼らの平和的で敬意に満ちた立ち居振る舞いに影響を与えています。
  • 宗教
     上座部仏教が文化とアイデンティティの中心です。
  • 受け入れ時の注意点
     母国の家族を心配し、極度のストレス下にあることを理解してください。安全で支援的な環境が不可欠です。働く意欲は並外れて高いです。

2. フィリピン 🇵🇭

海外労働者の送り出しに長い歴史があり、その適応力の高さで知られています。

  • 経済状況:
     海外で働くフィリピン人(OFW)からの送金が、国家経済の重要な柱です。海外で働くことは非常に一般的で尊敬されるキャリアパスです。
  • 人柄・国民性
     一般的に楽観的で、陽気で、社交的です。集団の調和(パキキサマ)を非常に重んじ、多くの人が英語に堪能です。
  • 宗教
     大多数(80%以上)がローマ・カトリック教徒です。宗教は生活において重要な役割を果たし、クリスマスのような祝祭日は非常に大切です。
  • 受け入れ時の注意点
     フィリピン技能実習生は、フィリピン政府対立を避けるため、悪い知らせを伝える際に遠回しな表現をすることがあります。フィードバックは個人的に、そして穏やかに伝えてください。褒め言葉や感謝の言葉に非常によく応えます。
  • 海外への出稼ぎを国が後押し
     世界有数の海外出稼ぎ大国であるフィリピンは、1970年代ごろから海外雇用政策を進めてきました。外貨の獲得や失業問題解消等の目的から、政府が海外出稼ぎを奨励し、海外労働者を保護するための施策をとっています。

最後に:受け入れ企業様への推奨事項

 技能実習生の受け入れを成功させる鍵は、単なる「雇用主」という役割を超え、「指導者(メンター)」であり「支援者」となることです。彼らの文化的背景、宗教上のニーズ、そして個人的な動機を理解することで、相互尊重と信頼の環境を築くことができます。これは、制度の法令を遵守するだけでなく、士気の向上、生産性の改善、そして関わるすべての人にとって真に有意義な経験へとつながるでしょう。

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